逆張りとはみんなとは逆の投資行動を取ることです。売られている時に買って買われているときに売る。まさに理想の投資行動ですがそうはうまくは行きません。
先日逆張りを狙ってコロナで業績が大変な全日空株を買ってみました。が、なかなか難しいですね。まだ2か月程しか経ってませんが経過報告をしてみたいと思います。
直近の業績
19年3月期~21年3月期業績推移
まずは直近3年の業績(予想含む)です。
売上高 | 営業利益 | 経常利益 | 純利益 | |
19.3 | 20583億円 | 1650億円 | 1567億円 | 1108億円 |
20.3 | 19742億円 | 608億円 | 594億円 | 277億円 |
21.3(予想) | 7400億円 | -5050億円 | ー5000億円 | ー15244億円 |

19年3月期までは好調なインバウンド等を背景に業績を伸ばしていましたが、20年に入りコロナの影響があり、20年3月期は減速。21年3月期の予想は売上前年比半分以下、純利益はー1兆円を超す大幅な赤字転落。危機的な状況になります。
コロナ影響に対する対策
急激な業績悪化に対していろいろな施策も打たれています。厳しい業績を経験した企業は体質も強くなるので悪いことばかりではありません。
グループ事業の再構築
グループの再編や既存サービスを最大限活用し、非航空事業の収益拡大を目指そうです。
日本航空がダメになった原因の一つが事業の多角化で失敗したためだそうですが、同じ様にならないか少し心配です。
新たなLCCを立ち上げ
全日空はLCCのブランドとしてPeachがあり、主に国内線や近距離の国際線で運行していますが、新たに子会社のエアージャパンを母体としてLCCを立ち上げるそうです。需要の多い東南アジアやオーストラリア等の中距離国際線で主に運行を計画しています。22年度を目途に立ち上げる計画の様で縮こまってばかりではないという所が良いポイントです。
固定費の削減
航空機の退役を前倒し
今期計画は7機であったところを35機まで増やし、整備コスト等を減らす取り組みを行っています。また調達・物流コストの削減等も実施しています。
人件費の削減

これはニュースで大きく報道されました。冬のボーナスゼロであるとか全日空グループ外の企業への社員の出向であるとか厳しいですね。私が勤めている会社もかなりピンチな状況なのですがボーナスがゼロになるとかまでにはなっていないので、まだマシなのでしょうか。
増資
大幅な赤字を出していることから増資も実施されます。現在の発行済株式の30%程度にあたる新株を発行するので中々大きな増資です。増資すると1株利益が減少し株価を下げる要因になります。実際増資が明らかになった日は株価は下げました。が、その後は安定しているので大幅な増資ですが市場からは前向きな将来の成長のために必要な増資ととらえられている様です。
株の値動き
チャート

コロナ前は3700円程度でしたが2020年1月以降は株価も下がり続け2100円程度まで下げます。今期の業績を見るともっと下がってもおかしくないと思うのですが、一過性であると見ている人が多いのでしょう。
その後は2100円~2800円程度のボックス相場で一進一退です。3本線があるうち一番上の緑の線は52週の移動平均線ですがそれが上値を抑えている様にも見えます。
私は10月に2420円で買いました。が現在(2020/12/2)ほぼ変わらず。日経平均は大きく上げているので少し悲しい気分です。
株価へのプラス影響
やはりコロナが収束すれば業績も回復することから、ワクチンの治験で有効な結果が出る等があると株価も上がります。今後はワクチンの大規模投与等が始まると一段高になると思われます。
コロナが収まる見通しが出るまでは上値は2800円程度になるのではないでしょうか。
株価へのマイナス影響
ワクチンで何か問題が発生して投与がストップする等があると下がります。業績でも今出ている予想から下振れすれば下がります。
下値は2100円程度でそれを割り込むと大きく下げると思わます。
まとめ そして私はどうすべきか?
コロナ禍での業績はかなり厳しいものがありますが、収まれば回復するのは確実だと思われます。株価はそのことをある程度織り込んでいますが、通常時の株価からは安い水準にあります。
またコロナ影響への対応で企業体質は強くなっています。
短期的には2800円程度になったら売り、長期的にはそれ以上の値上がりを期待できると思います。

しかし株価が2100円を割り込む様なことになれば長期間の保有、いわゆる塩漬けを覚悟する必要があります。その時は現状配当は0のなので、ただ持っているだけになるというリスクがあります。
私はコロナ後の業績復活を信じてまだ売るのは早いと思っています。
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